吉信・宮本研究室
学部3年生向け研究室説明

(1) 研究テーマについて

学生は1人ずつ自分の研究テーマに沿って研究を進めていきます。

当研究室の研究テーマの多くは、イオンや分子の濃度を画像化できる、半導体化学センサ/イメージングシステムの開発と応用に関するものです。

研究テーマには

(1) さまざまなイオンや分子を測定できるセンサの開発

(2) 新しい機能を持つ測定システムの開発や性能向上

(3) 微生物、細胞膜、材料表面など、測定対象に特化した測定システムを開発し、従来の装置ではできなかった解析を行う研究

などがあります。

学生は自分専用の測定システムを設計して組み立てるところからはじめ、スキャン機構、光学系、電子回路、測定・解析のプログラムなど必要なものを開発していきます。必要なパーツはCADで設計して3Dプリンタで出力します。これらに必要なスキルは学部4年生の7月まで実施する学生実験Dで修得します。

このように、当研究室では既製の装置を用いて研究を行うのではなく、手作りのオリジナルな測定システムを開発するところから始めますので、装置の開発や電子工作に興味のある方に特におすすめします。

なお、大学院は工学研究科電子工学専攻または医工学研究科医工学専攻のいずれかを選択して受験できます。


自作回路の例


自作測定システムの例


開発したシステムで可視化したステンレス表面の腐食に伴うpH変化

(2) 研究室の1週間

当研究室では1週間という単位を大事にしています。

月曜日の午前中に全員が集まり、1人ずつ簡単な報告資料を用いて前週に行った実験のデータや解析結果を手短に報告し、各自の今週の活動方針を決める「ミーティング」を1人約10分、全体で約2時間かけて行います。前週の結果の分析にもとづいて「次の一手」のさまざまなアイディアを出し、そこから活動方針を立てるという合理的なプロセスになるよう、毎週アドバイスします。

金曜日の夕方には、担当者が論文を紹介したり発表練習したりする「ゼミ」があり、その後、居室と実験室を掃除して1週間が終わります。月曜日の午後から金曜日の午前までは、各自のペースで今週の活動方針に沿った研究を行うため、時間配分は比較的自由です。

研究活動を通じて、合理的な仕事の進め方と実践力を身に付けてほしいと思います。