AFM陽極酸化によるシリコン表面のナノ加工

原子間力顕微鏡(Atomic Force Microscope; AFM)は、試料表面形状を原子レベルの分解能で測定する装置としてたいへんポピュラーになりましたが、実は表面形状の測定だけではなく、試料表面の加工にも使えることがわかってきました。たとえば、金のコーティングによって導電性を持たせたAFM探針と試料の間に電圧を加えることにより、試料表面に酸化物を形成することができます。その機構は、探針先端と試料表面の間に存在する水分を介した陽極酸化であると考えられています。

 

AFM陽極酸化の原理図

この方法を用いることにより、試料表面に微細なドットパターンやラインパターンなどを自由自在に形成することができます。

  疎水性表面(左)および親水性表面(右)に描画したラインパターン
     
         
 

酸化物ドットパターン

 

縮尺1万分の1で
シリコン表面に描画した似顔絵

 

また、この技術を応用して、シリコン表面にたんぱく質やDNAなどの微細パターンを形成する研究を行っています。

この研究に関するポスターをダウンロードしてご覧頂くことができます。

"Nanofabrication on Si with AFM" (pdfファイル, 567KB, 英語)

"Nanometer scale anodic oxidation of SC1-treated Si(111) surfaces by AFM" (pdfファイル, 569KB, 英語)