思っただけで装置が動く?!

脳波などを用いて脳とコンピュータとを結ぶ、脳・コンピュータ間インターフェース(BCI)の基礎研究を行っています。事故や病気で手足が動かない患者さんが、思っただけで装置を操作することを可能とするための技術です。

脳波とは?

脳内の神経細胞(ニューロン)が活動することで脳内に電流が流れます。この電流によって生じる電位分布を、頭皮上の電極から観測した信号が脳波です。脳のどの部位がいつ、どのように活動したかを大域的に調べるのに用いられます。下の図は、音声の短期記憶時に生じた脳波の時間変化を32チャネル計測した例です。

 

運動のイメージによるBCI

手足の動作の「イメージ」を脳波から検出することでBCIを実現します。

 

被験者から計測した脳波データを解析することで、行ったイメージの種類を検出します。被験者に対して訓練を行うことで、システムの信頼性を向上させます。

実験風景

下の写真は、頭頂部から計測される22チャネルの信号から、足の運動のイメージを検出する実験のときのものです。

 

結果の一例

下の図は、足の運動のイメージ時(時刻0〜6s)に計測された脳波の時間・周波数特性の例です。25〜30Hzの成分がイメージ中に強くなっている(青)ことが分かります。この成分に着目すれば、この被験者は足の運動のイメージによって外部装置のスイッチを操作することが可能です。

 

より速く、より高い正答率で、より多くの情報を検出するためのアルゴリズムの開発や、被験者に対する訓練の手法の確立などを目指す必要があります。

他には?

本研究室では他にも、眼球運動によって外部装置を制御するインターフェースの開発、記憶や認識などの高次脳機能を脳活動計測によって解析する研究なども行っています。